水のように生きろ ブルース・リー老子

何時の世も「水のように生きよ!」

昔から、人の生き方・在り方、人生論・処世術は、よく水に例えられてきました。

中でも私が好きでよく思い出すのが、鴨長明の「方丈記」の冒頭「ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。よどみに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかとまたかくのごとし」の部分です。このいかにも流れそのものを感じさせる表現力と鋭く繊細な洞察力に触れる度、惚れ惚れしてしまいます。

この方丈記が書かれた時代背景を見てみると、ちょうど平安王朝から鎌倉幕府へ大きな変容のあった時代で、今私たちが置かれている意識の大変革期とオーバーラップするところがあり、ちょっと面白い発見がありました。共に「混迷の時代」「今まで信じ続けていたものが崩壊し、全く新しい価値観を持った時代への大変革期」であり、また「天変地異(自然災害)を頻繁に体験する時期」であり、人々が様々な現象を通して、否応なく「諸行無常の理」を体感する時代だということです。

畏怖さえ覚える驚異のパワーを持った私たち

また、今回選んだ動画は「Be Water, My Friend!」(水のごとく生きよ)というブルース・リーの名場面ですが、ここでも生き方が水に例えて語られています。映像で見ると、名言もさる事ながら、ブルース・リーの目ヂカラ、表情力が半端なくパワフルであっぱれです。マーシャル・アーツを極めた彼の背景に、今となっては当然のごとく深いスピリチュアリティー、意識の高さがあってこそだと思えますが、当時「燃えよ、ドラゴン!」を見た頃には、表面的なカッコよさ、強さしか見えなかったのが、また面白い発見でした(笑

ところで「流動性、柔軟性がある水のようであれ」と聞けば、それは形にとらわれず、変化を受け入れ、流れに逆らわず抵抗することなく、調和を重んじて生きることだよなと、すんなり流れ込んできたのですが、「破壊力、衝撃的な威力も持ち合わせた水のようであれ」に対しては一瞬立ち止まりました。すべてを一掃してしまう破壊力を持った水のように生きるとはどういうことなのだろう? それは、一瞬で一大変化を起こす水のように、この畏怖さえ覚える驚異のパワーをもった自分に気づいて、そのパワーを発揮して生きることを言っているのだろうか?と捉えてみました。

2000年前から、生き方のお手本は「水のように」

さらに、この動画を訳しながら老子の道徳経8章にある「上善如水」(上善は水の如し)を思い出し、抜粋した部分を2014年バージョンで訳してみました。2012年を境に急速に変容し始めた私たちの意識は、「私たちは水の惑星地球に生きている」というところまで拡大してきました。こんな時代にLao Tzu〜老子からのメッセージまで届くとは、ステキなことです。

水のように生きよ:上善は水のごとし~Lao Tzu

最もすばらしい生き方とは、水のように生きること
万物をうるおし豊かさを与える水
人々が蔑むようなところに身をおいても満足している水
すべて自然に行っている水

この生き方こそが本望だ!

住まい方で言えば、大地近くに住み
考え方で言えば、出来る限りシンプルに
争いの時には、公平で寛大に
政治のあり方としては、コントロールしようとせず
仕事面では、喜びとなることをし
家庭生活においては、完全に今に生きること

ただたたシンプルに自分自身で在り、比較、競争しないで生きていれば
人はみな、あなたを尊敬するのだ

 

The supreme good is like water,
which nourishes all things without trying to.
It is content with the low places that people disdain.
Thus it is like the Tao.

In dwelling, live close to the ground.
In thinking, keep to the simple.
In conflict, be fair and generous.
In governing, don’t try to control.
In work, do what you enjoy.
In family life, be completely present.

When you are content to be simply yourself
and don’t compare or compete,
everybody will respect you.

 

3 comments
  1. 素敵です!
    私も「方丈記」の冒頭「ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず~」の部分が大好きです。気持ちに浸みます。声に出して読みたい日本語ですね。
    yukikoさんは英語の翻訳も素晴らしいですが、日本語にも堪能なのですねー(*^▽^*)
    最近のニュースでは水難事故の予防が良く取り上げられますが、
    奇跡的に助かった人の言葉が奥深い。それは人生の極意の様だと思いました。
    その極意とは、「浮かんで待て!」
    もがいたり、自力で泳いだりしてエネルギーを消耗することなく、
    救助が来ることを信じて、ただ「浮かんで待て!」。
    水のように生きていると、心は風になりそうです。

    ※ウェブサイトはフェイスブックを貼り付けました。

  2. サラさん、おはようございます。

    水のように生きていると心は風になりそう~いいですね☆軽やかで!
    水のように、風のように、自由になります!

    ありがとう☆感謝☆合掌

  3. 平山さん こんにちは!

    たまたま、この動画を見かけて、
    道徳経の上善若水を通して、水をここ数日、観なおしてみたのですが、水は深いですね~

    とっても面白かったです♪

    2015年バージョンでは(今日は2015年の10月なので)

    ″水が地を潤すように、ハートですべてを受けとめれば、愛から離れることがない。″

    と、上善若水を読みたいです。

    ハートの愛は、水のように透明だけれども、
    すべてを一掃してしまう力を持っていますね!

    その破壊力は、衝撃的!です。

    ☆原文
    (上善若水 水善利万物而不争 処衆人之所悪 故幾於道~~夫唯不争 故無尤)

    道徳経の原文は、漢字、古代の中国語で書いてあるので、難しいと思われがちなんですが、

    それに、古代の中国語は、一字一字に、大きな海のような、多重的、多層的な意味が包括されているので、

    ことばにできない部分が多くあって、解釈や定義するより、瞑想して読んだほうがいいのだけれども、

    道徳経の内容、エッセンスは、すごくシンプルで、

    ただ、生命=愛が、2500年前の老子を通して、生命=愛そのものを語っているだけなのです。

    決して、哲学や思想、理想的な生き方を説いているわけではなく、

    生命=愛が、ただ、自分自身を表現している、すごいな~と感じました。

    平山さんとブルース・リーに、感謝です☆

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