「プレゼンス」から生きる生き方への招待状
今回日本語字幕を担当させていただいたエックハルト・トールの最新DVD:「Touching the Eternal すべてが生まれる『プレゼンス』から生きる」が発売されました。これは、インドの聖地の一つであるリシケシでのリトリートで行われたセッション(講話)をすべて収録したものです。一日約3時間弱のセッションが収められたディスクが6枚、総収録時間16時間39分というとてもボリュームのあるDVDです。
このような形で映像を通してエックハルト・トールという現存する覚者の「プレゼンスの意識」に触れられることはとても貴重なことです。時々、本を読んでも分かりづらいという声を聞くこともありましたが、このDVDによってエックハルト・ティーチングへの理解が深まり、新しい次元の意識=「プレゼンスの意識」が共鳴し、意識の変容が加速することでしょう。
このインドでのリトリートは2002年に行われたもので、エックハルトは50代、まだ「A New Earth」(2005)も書かれておらず、世界的な知名度もない頃の貴重な録画です。「The Power of NOW」(1997)が世界的に普及し、スピリチュアルティーチャーとしての役割が波に乗り始めてきた頃の初々しくもエネルギッシュなエックハルトティーチングも本作品の見どころではないでしょうか。
覚者エックハルト・トールならではのユーモアと笑いが散りばめられ、気がついたら「プレゼンスの意識」が伝達されていた!という体験となるDVD「Touching the Eternal すべてが生まれる『プレゼンス』から生きる」。是非、最後まで「プレゼンスの意識」を深めながらご堪能いただければと思います。
今年2021年、昨今の不確実な世界情勢、気候変動の加速によって、多くの人々が生き方の見直しを余儀なくされてきています。形ある世界での見直しを超えて、内的な意識状態の変容へ移行することが最もコアなところでの急務です。その意味でもエックハルトティーチングは、確実に人類存亡の危機から人類を救済するための一翼を担っているものです。
あなたが「プレゼンスの意識」を目覚めさせること、真に世界を変えていくために大切なことはこれだけ - エックハルト・トール
ノンデュアリティ(非二元)の世界へのいざない
エックハルト・トールは、この教えはノンデュアリティ(非二元)の教えであると語ります。著書「ニューアース~意識が変わる 世界が変わる」や「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」では、エゴ意識から目覚めるためのエゴ意識とペインボディの性質、衝動、役割について主に書かれてありましたが、このリトリートセッションでは、さらにそれが二元性の世界でのカルマ的なあり方であり、その次元のみにいる限り大なり小なり避けることのできない物質意識のたどる道であること、その二元性の世界からの離脱していく道案内が、覚者のプレゼンスそのものによってなされています。
エックハルト・トールの解釈による「カルマ、輪廻とは何か」だけをとってみても、目からウロコの「Aha! moment」(そうだったのか!)が起こり、カルマ、輪廻ってそういうことだったのかと、なるほど!と閃く瞬間、大きな気づき、意識の変容が起こることでしょう。
また、深い眠りの意識状態、肉体的な死による意識の変容ではなく、この肉体をまとったまま、物質意識もまだ作動する中で、それしかないと思われていた二元性の現象界から、ダイレクトに非二元の実存界への変容が可能であり、それが今この地球に生きる人間にとっての大いなるミッションであること、地球とともに意識を進化させていく人類の命題であることが本作品のあちこちで語らています。
何よりも、概念としてのノンデュアリティ(非二元)への理解を超えて、映像というツールから伝わる唯一無二の大源であるプレゼンスの意識のエマネーション(放射物)、それこそが本作の持つ醍醐味です。
概念としてのスピリチュアリティ、制限と時間にとらわれたマインドによる理解で生きるあり方を超えて、無条件で時間のない次元の意識をバックグラウンドにこの人生を生きるという新しい在り方が、今この瞬間に可能になるのです。
エックハルト・トールによる参照聖典
エックハルト・トールがセッションの中で最も引用する聖典は新約聖書です。イエスの言葉、たとえ話をエックハルト・ティーチングに重ね合わせて、私たちを真理へといざないます。同時に、聖書をキリスト教の聖典という概念で読むことからの解放が起こります。ぜひ、聖書はお手元に置いてください。このインド、リシケシのリトリートでもしばしば新約聖書からの引用がありましたので、聖書とともにセッションを聞くことができると思います。。
それに加えて、インドでのリトリートであることから、インドというスピリチュアル大国から生まれ出た聖典「ウパニシャッド」や覚者ゴータマ・ブッダ、ラマナ・マハルシやクリシュナムルティの言葉や在り方についてもしばしば引き合いに出しています。
また、「奇跡のコース」、「老子道徳経」、マルクス・アウレリウス「自省録」、ハーフェズの詩集、ウイリアム・シェイクスピアの言葉、14世紀の匿名著者による「不可知の雲」などからも引用があり、エックハルトの解釈によって古典的な聖典への理解も深められるような場面も多くあります。特に「不可知の雲」(The Cloud of Unknowing)に関しては、他のリトリートでのセッションでも「Highly Recommended 」(超オススメ!)と言っています。とは言え、日本語訳版は入手するのが難しくなっているようで、いまのところ原書にチャレンジするしかないのですが、エックハルトが本を薦めることはめったにないので、是非とも読んでみたいものです。
エックハルト・トールの著書からは得られないダイレクトなエックハルトティーチングの総集編=「Touching the Eternal すべてが生まれる『プレゼンス』から生きる」は、鑑賞ではなく、直接体験に結びつくものだと思っています。この講演を聞けること、それはまさに目覚めの準備が整っているサインです。
今こそ、「個」を超えた意識を目覚めさせて生きるときです。