大切な人を癒してあげたいのですが・・・
昨年の暮れ、友人のY子さんもこの質問者と同じような境遇にあり、私も何度か相談を受けていたことがありました。Y子さんのお母さんは長年連れ添ったパートナーを亡くし、その後一人娘の彼女は、お母さんの強烈なエネルギーを一人で引き受けることになり、自分の方が精神的に参ってしまったのです。私からのアドバイスも、ジョンのアドバイスに近いものでしたが、どんな状況にせよ、特に親子関係、夫婦関係の場合、長く過去を共有しているために(長くエゴ関係を結んでいるために)、慣れ親しんだエゴの自分が知らず知らずのうちに頭角を現しやすいということを覚えておくと良いと思います。どんなに親しい間柄だとしても「意識の目」で「意識の心」で相手とお付き合いするようにしていけば、聞き慣れた相手の愚痴やストーリーにも引きずり込まれることが少なくなっていくはずです。
下のやり取りの中で、ジョンの使っている言葉に「自分のハートにいる」という表現がありましたが、「ハート=意識」と置き換えた方がわかりやすい方もいるかもしれません。「意識」に光が当たっていなければ、お母さんは当然100%悲劇のヒロインであり、犠牲者であり、それは「不幸な私」に違いありません。だとしても、お母さんをありのままに見て一緒にいることは出来ます。お母さんを良くしてあげようとか、楽になったらいいなと思ったりしなくても、自分はハートにいる状態で穏やかに一緒にいることが出来ます。大変そうな人、苦しんでいる人を見た時に、私たちが容易く陥りやすいのは「相手をなんとかしてあげたい」というループです。そんな時こそ大切なのは、相手はそのままに、自分は意識として在ること!自分自身のセルフ・ヒーリングに徹することなのです。
あなたは人を癒す必要はない。あなたに必要なのは、あなたが自分のハートに在ること、意識として在ること。自分自身の癒しの中に存在することだ。ジョン・デ・ライター
ジョン・デ・ライター 不幸な母と、どう付き合っていけばよいですか?
Q: 昨年父が亡くなって、それからというものの母はとても不幸になり、私に頼るようになってきました。私はできるだけ母と一緒にいるようにしているのですが、母の不幸な気分が伝わりすぎて、自分の方が精神的に病んできています。
J:お母さんはあなたを必要としていません。お母さんに必要なのは「自分のハートにいる」ことです。お母さんはハートにいないのです。だから幸せではないのです。
Q: 母の気持ちを察することは良くないことなのですか?私はどうしたらよいのでしょうか?
J: たとえどんなにお母さんが悲惨な状態であれ、お母さんを見守ることはできます。お母さんと一緒にいることを楽しむことはできます。お母さんは「自我」を生きているのですが、そのことを考えずにお母さんと一緒にいてください。たとえお母さんが「お母さんの自我」にあなたを引きずり込もうとしても、優しく、思いやりを持って「お母さんの自我」には興味が無いことを示すのです。あなたはお母さんのことをこころから大切に思っています。お母さんは「自我」に自分を失ってしまったのです。お母さんはハートに返る必要があるのです。
「母のストーリーには興味が無い」ことをはっきりさせる
Q: おっしゃることはよく分かるのですが、母のさまざまな問題、苦悩にすぐまた引っ張られそうなのですが・・・
J: あなたは、自分が「母のストーリーには興味が無い」ということをはっきりさせなくてはなりません。なぜ母が悲惨な状態にあるのか、なぜ母は困難な人生を歩んでいるのか、そういったことに興味が無いとはっきりさせることです。そうでないと、お母さんはまたあなたを彼女の悲惨な人生に引きずり込もうとしてきます。お母さんにはたくさんの理由、言い訳があるからこそ、その困難な人生のまっただ中にいるのです。でも、お母さんはその悲惨な人生に良い理由を見いだせていないのです。お母さんは困難な人生のまっただ中にあってもハートにいることが出来るはずなのです。
Q: こういうことを知らない母を思うと残念でなりません。
J: なぜそれを残念に思うのですか?お母さんと一緒の時を楽しんで、それを教えてあげることも出来ます。お母さんが受け入れなくてもいいのです。理解しなくてもいいのです。でも伝えてあげることは出来ます。
Q: そうしてみます。
大切なのは「自分がハートにあること」
J:でも、もしあなたがお母さんと一緒にいることを楽しんでいないのに、自分のその気持ちを伝えるとしたら、お母さんの悲惨さはさらに大きくなってしまいます。お母さんを見見守ることなく何か伝えたとしても、お母さんをハートに戻してあげることには繋がりません。そして、あなたにとって大切なことは、お母さんにはあなたが必要ではないということを知ることです。
Q: はい、本当にそうだと思います
J:お母さんには私が必要なのだと思った時、あなたにはお母さんが見えなくなっています。もしお母さんには私が必要だとあなたが信じているとしたら、あなたにはお母さんの自我しか見えないし、困難な状況にあるお母さんしか見えません。
2 comments
yukikoさん、いつもステキな記事をありがとうございます。今日はとっても久しぶりにコメントさせていただきます。
この記事は「お母さん」を「息子」に置き換えてみると、そうそう、そうだったよねと笑ってしまうほど今の私にピッタリのメッセージで、あぁ素晴らしいギフトだなと思いました。
その内オープンクラスにも5年ぶり?に参加してみようと思っています。
WONDERさん、こんにちは!お久しぶりでーす☆
そうですよね~これは誰にでも置き換えられますね!お隣さんでも上司でも同僚でもスレ違いの人でも・・・。
ぜひぜひ!オープンクラスにも顔を出してください。お会いできるのを楽しみにしています☆感謝