言葉なき静寂の世界へ
今回は短編サイレント・ムービー「Nataraja~The Dance of Life」(ナタラジャ~いのちの舞)のナレーションに字幕を付けてアップしてみました。25分と長めの動画ですが、途中の20分間くらいは説明も何もなく、人間の自然な営みが静かに映し出されているだけのシンプルな動画です。
今私たちは、さまざまな情報が言葉と映像になって多方面からやってくる現代社会に生きていますが、このような言葉なき静寂の世界に向き合うことは、粗雑で不必要な情報を一掃し、人間本来の在り方を呼び覚ましてくれるのではないかと思います。
静けさの中に躍動するいのち
私たちは言葉とともに進化し、言葉によって多大なる恩恵を賜ってきたことは確かなことだと思います。しかしその反面、私たちは言葉によって人生を複雑にし苦悩を増やし、言葉によって穏やかな内なる世界を歪めることになってしまったことも否めません。
それにしても、この動画の中のナレーションのように、言葉は私たちを惹きつける芸術であり、美しい世界を見せてくれます。そして、静けさの中に見る躍動するいのちは、儚さと力強さを携えて、やはり美しい世界を見せてくれています。
多忙な1日の中で、ほんの数十分でもひとり静かな時間を持てた時、この動画の中に入ってみてください。ノスタルジックな心の安らぎが、瞑想状態にも似た静かな風に乗って胸の中を駆け抜けていくのではないかな・・・と思います。
愛と感謝を込めて
with VastStillness
ナタラジャ~いのちの舞:Nataraja~The Dance of Life
心の家の中に、存在するすべてのものが住んでいる
人間の心には、天井となる空があり、床となる大地があった。名前のついたものは何一つなかった。日にちも時間も存在しなかった。また始まりも終わりもなかった。すべては強さの度合いでしかなかったからだ。
人間の心の家に世界があり、すべてのものは友だった。人間が言葉を発見した時、人は「あなたは大地、あなたは水あなたは火、あなたは大地」と言っていた。
そうこうするうちに、人間は群を抜いて力をつけ、それらと別々の存在になっていった。時の流れとともに、人間はますます自分とかけ離れた世界を見るようになった。そして、昔を懐かしむ思いが募り募っていった。
その経験の中で人間は、言葉というのは影でしかないということがわかり始めた。言葉は心の影として存在している、ということを理解し始めたのだった。
人間の心には、天井となる空があり、床となる大地があった。名前のついたものは何一つなかった。すべては強さの度合いでしかなかったからだ。
人間の心の家に世界があり、その家の中に存在するすべてのものが住んでいた。なぜなら、すべての存在はたったひとつのいのちだからだ。
by Nataraja~The Dance of Life