アラン・ワッツ:目覚めの準備が整えばあなたは目覚める
目覚めの準備が整えば、あなたは目覚める。準備がまだなら、そのままちっぽけな自分にとどまり続けるだけだ。
しかし、今ここにいるみなさんは、探究心を持ってこういった講義に耳を傾けている。と言うことは、誰もが目覚めのプロセスを歩んでいると言えるのではないか。でなければ、一時的に目覚めに興味をいだいて、自分を悩ませているだけということになる。だとしたら、あなたは目覚めを真剣に捉えていないということだ。しかし、ここにいるみなさんは、真剣というよりは誠実に目覚めようとしているのだろう。
そこで・・・目覚めのプロセスおいて、本当の自分を見い出していくと、あなたがしていることは「今ここ」という場所で全宇宙がしていることになる。あなたという存在は、全宇宙がしていることの一部だ。それは、波が大海原がしていることの一部であるのと同じことだ。本当のあなたというのは、人生に踊らされる操り人形ではない。深いところのあなたというのは、全宇宙そのものなのだ。つまり、あなたは死んで永遠に存在しないものとして我慢することになるわけではない。死とはそういう体験ではない。
あなたは全宇宙そのもの!
多くの人は、死んだら暗闇に葬られるのではないかと恐れている。何か耐え忍ばなければならないと思っているのだ。しかし、これはこの世で最も興味深いことのひとつ、これがヨーガであり、気づきの方法のひとつでもあるのだが・・・。ひとつ想像してみて欲しいのだが、二度と起きることはないと思って寝てみて欲しい。考えてみて欲しい。子どもはこういうことを考える。こんなに不思議な事はない。「寝る」だけど「絶対に起きない」ってどんな感じなのだろうか?これをじっくり考えたら、何かが起こるだろう。何より、次の質問がやってくるだろう。「ずっと寝ないでいて起きる」ってどんな感じなのだろうか?それはあなたが生まれた時の体験だ。
つまり、あなたは無を体験することは出来ないのだ。自然は真空を嫌うからだ。あなたが死んで体験することは、あなたが生まれた時に体験することと何一つ変わらないのだ。言い換えれば、誰もが知ってるように、誰かが死んで、誰かが生まれているのだ。そして、それらはみなあなたなのだ。ただ、あなたは一度に一人しか体験できないというだけのことだ。みんなが私であり、自分もまた自分なのだ。全銀河にくまなく存在するものも、なんら変わりがなく私なのだ。あなたはそのすべてなのだ。
素晴らしき永遠不滅のあなた
何かが現れたら、それはあなたが現れたということだ。わかっているだろう。ただ、あなたは過去を覚えている必要はないというだけのことだ。それは、甲状腺とか他の臓器がどう働くのか、あなたが考える必要もないのと同じことだ。あなたが太陽の輝かせ方を知る必要はない。知らなくてもやっている。呼吸することも同じだ。
こんなに複雑なことを自分がやってのけているなんて、驚くべきことじゃないかい?それも教育によって身につけたわけじゃないんだよ!スゴくないかい!
by Alan Watts “Real YOU”