「スピリチュアル系」「癒し系」はブームで終わってしまうのか?
最近では、どの本屋さんにも「スピリチュアル系」「癒し系」のコーナーが置かれるようになり、これらのジャンルは一般的にも認知されるようになりました。しかし「スピリチュアル系」「癒し系」が扱う内容は幅広く、よっぽどの精神世界専門書店でない限り、書棚には代わり映えしない稚拙なタイトルの本ばかりが連なり、趣味のコーナーなのか宗教本なのか、どっちつかずの位置づけになっている感が否めません。
「spiritual」「spirituality」と言う英語は、「霊的な、精神的な」「霊性」という意味です。また、その語源はラテン語のSpiritusで、意味は「息、呼吸、生命」=形なきものとなっています。ところが日本語で「スピリチュアル/スピリチュアリティ」となるととても曖昧で、日本人独特の意味合い、極端に言えば、その言葉を使う人の理解に基づく使い方がされているようです。
ほとんどの場合、自己の精神的成長とか心身の鍛錬ではなく、開運、人間関係の悩み解決、占い、夢の実現、心身の不調改善等、安楽な生活を送るためのキャッチーなフレーズ(流行用語)の一つとして使われてきたように思われます。そして、そのように多用された言葉には「流行遅れ」「死語」という終末がつきものなのです。
「スピリチュアル/スピリチュアリティ」その形なきものがこの現象世界に入ってくれば、さまざまな形になって現れるのは当然のことです。しかし、そろそろ「スピリチュアル/スピリチュアリティ」は単なるブームで終わってしまうのか、それともこの潮流を足がかりに、真に根付いて精神性復活の道が開けていくのか、その分岐点を迎えているのではないかと思います。
IT・AI時代を生き抜く力~スピリチュアルパワーの復活
2019年令和という時代が新天皇のもとに始まり、2020年夏には56年ぶりの東京オリンピック開催が目の前に迫ってきています。それ以前に、私たちの生きる地球環境への危惧は高まり、そして、世界中がITの大波の影響を受けて、ものとの関わり方、人との関わり方、環境との関わり方、すべてのことが様変わりする勢いで時代は動いています。何から何まで、ほんの数十年前とは違ってきているのです。
この激変する時代を生き抜くためには、忍耐強い精神力で人間の感性、生命力を取り戻そうとする方向に意識的に進んでいくことが必須になります。ITやAIに代表されて展開する現象世界がコインの表面だとすると、それ相応の裏面、つまりより強い自然界とのつながりに根ざした「スピリチュアル/スピリチュアリティ」のバックアップがなくてはならないのです。
日本には、明治時代に西洋の文化が一気に流れ込んできて、それを短期間で効率よく日本文化に取り入れなじませていったという歴史があります。それを可能にしたのは日本人の中に「武士道」(新渡戸稲造著)の精神が色濃く残っていたからだとも言われています。日本人精神を失わずに、技術をうまく取り入れることができたのです。
しかし、もともと宗教教育のない日本で、加えて「武士道」精神もなくなりつつある現代の日本人は、これからどのようにこの激変する世界の中で行き抜いていくのか、何を精神性の糧としていくのか、さらには、日本人というナショナリティーさえも超えて、普遍的な人間性を実現していくのか、これが21世紀初頭を生きる私たちの大きな課題なのではないかと思います。それを今自分ができることから始めるのです。
集団ウォーミングアップ時代から本気・本番時代へ!
すべては自分から始まり、その自分の意識は変化、拡大し続けます。エックハルト・トールは著書「ニューアース~意識が変われば世界が変わる」の中で「これから地球上の相当数の人々が目覚めていくことだろう。しかし、人類は今『進化するか、それとも死ぬか』という重大な選択を迫られている」と書いています。そしてまた、「少しでも意識の目覚めを体験したものは、後戻りすることは出来ない」とも言っています。
つまり、私たちはどんな形の体験を重ねるにせよ、より深い目覚めへと進んでいくしかないのです。そうだとすると「スピリチュアル/スピリチュアリティ」から派生したさまざまな支流は、いつしか本流へと立ち返っていくのが定めです。すべてのブームは次の創造へと繋がっていくのです。
「今、意識の変容は、史上始まって以来、人類が生き残るために必要不可欠なものとなってきているのです。なぜなら、私たちは地球を破壊し続けているからです。極端な言い方をすれば、楽園としての地球に地獄を創り出しているからなのです。」(エックハルト・トール)
自分が欲しいものや恋人、自分の望む仕事や環境を引き寄せるためのパワースポットと引き寄せの法則を追いかけ続けるのか、健康のため、痩せたり美しくなったりするためのヨーガを趣味にし続けるのか。「スピリチュアル/スピリチュアリティ」を一時的なブームで終わらせるのか?IT・AI時代を生き抜くためには、スピリチュアルパワーの復活は必須です!本当のチャレンジは「今から」これからです!