エックハルト・トール:意識状態に責任を持つ
質問者:今の私にとって最も難しく悩んでいる言葉に”責任感”というものがあります。自分が感じている数々の”責任感”というものは、自分のエゴが仕向けているものだということはわかるのですが、それでも、これからの地球、人間の進化を考えた時に、私は責任感を強く感じてしまいます。この”責任感”という言葉とどのように向き合っていったら良いのか、それを教えていただけたらと思います。
エックハルト:わかりました、ありがとうございます。
”責任感”とは、おかしな言葉で、文字そのものを見ればわかるように「応える能力」のことなのかと思い込まれてきた言葉です。
まず、何に対してあなたが責任をとることができるかというと、それはあなたの意識状態に対しての責任です。あなたの意識状態によって、あなたが創造する世界が決まります。なぜなら、あなた自身が”人類”だからです。”人類”というのは象徴的な概念であり、”人類”は存在していません。”人類”とは人間のことです。あなた自身が”人類”なのです。ですから、”人類のために責任をとる”ためには、第一に、自分の意識状態に責任を取る必要があるということになります。
というもの、病んだ機能不全の意識が、外の世界に不健全な状態、機能不全を生み出しているからです。ここでの”世界”とは、人間が創りだした世界という意味です。元々あった、信じられないほど貴重な宝石のような楽園である地球、偉大なる叡智の存在である地球に、人間が入り込んで創りあげた世界という意味です。
私たちはその本質から離れてはいないのですが、人間は今、変容の過程を経ている最中であり、また、そのすべての変容が重大な局面を迎えているのです。その成果はでるかもしれないし、でないかもしれない。成果がなかった場合、その人間は違った形での変容を体験することになります。
しかし、あなたの意識状態があなた創りだす世界を決め、また、あなたの行動がどんな結果を生むのかを決めることになります。そこで私は主に、人間のマインドに宿る機能不全の原因となるものについて取り組んでいます。人間の思考が創りだす機能不全、禅の世界で言う”人間の精神的病”に取り組んでいるのです。
歴史を学んだ人なら誰もが疑えないことだと思いますが、精神的な機能不全は、何千年もの間深く根付いているものです。もし、人間の意識が変わらなければ、機能不全の世界が私たちを崩壊することになるでしょう。地球には膨大な資源があるので地球は崩壊されることはないでしょうが、地球が回復するためにはかなり時間がかかるでしょう。
ですから、第一にあなたがしなくてはならないことは「今」自分の意識状態に責任を取ることです。「今」の意識状態です。私の教えは突き詰めて言えば、これだけです。
”今この瞬間、私の意識状態はどうだろうか?”
”私は動揺を生み出していないか?私は否定的なことを生み出していないか?”
”私は、自分自身そして他人に対して争いごと、苦悩を生み出していないか?”
”美しい存在である自分自身の内面を汚すようなことをしていないか?”
”ひっきりなしに動く馬鹿げた思考で、否定的な感情を生み出していないか?”
”思い込みの「私」という、幻想的な存在を創りあげていないか?”
目覚めたものとして責任を取る必要のあることは”今の自分の意識状態”ということになります。
人によっては、自分が責任を取れるということにさえ気づいていないのですから、あなたのような人は貴重なのです。ここに気がついた人であれば誰であれ、あなたから世界の変化は始まります。この格言は誰のものだったか忘れましたが、最近よく耳にする格言があります。”あなた自身が変化となれ””あなた自身が、外の世界に見たい変化となれ” ”あなたが何をするか”が問題なのではなく、それ以前に”あなたが何者であるか”が大切なのです。あなた自身、つまりあなたの意識状態です。あなたがすることは、すべてあなたの意識状態から出ているのです。ですから変化というのは、変化した意識状態から始まります。それがあなたの責任です。
あなたが意識状態の責任に気づいたら、まだそのレベルに達していない人がいるとしても、気がついていない人がいても、それはそれで構わないのです。全世界がそのレベルになることは期待できません。その他何百万人の人々が”自分の責任を取ることができるのだ”ということを知らないとしても、あなたが責任を取れれば、それで十分なのです。彼らはあまりにも無意識すぎるために、他人の中に、嫌なことを全部投影しているのです。彼らが見ている嫌なことは全部、彼ら自身の中にあるものなのです。そうやって彼らは、世界の半分を自分の敵に回しているのです。外ばかりを見ているのです。だとしても、構わないのです。責任を取ることを求められているのは、そこに達している人だけでよいのです。
完全に無意識の人は、何をしたら良いのかがわかっていません。それは明らかです。イエスが言ったように”彼らは自分がしていることがわからないのです”つまり、彼らは無意識の力(フォース)に支配されているのです。無意識の精神的、感情的な動きに捕われているのです。彼らは自分がしていることがわかっていないのです。責任の取りようがないのです
人は ”彼らも責任を取るべきだ”と言うでしょう。でも、自分がしていることがわかっていないので責任は取れないのです。しかし、彼らには責任感がなく、無意識だからと言って苦悩がないということではありません。彼らは苦悩を生み出しています。苦悩というのは、個人的なエゴにせよ集団的なエゴにせよ、エゴが燃え上がるための炎になります。それは痛みを伴った遠く長い道のりです。スピリチュアルな教えは、それを短縮した近道です。痛みを伴った道は長い道です。苦悩をたくさん体験して目覚める道です。
地球は、人類がここまでのんびり学んでいることに限界がきているかも知れません。もし、人類の学びの過程が短縮されないようであれば、地球はさらに百年間人類に学ばせようと、もっともっと苦悩を与えることでしょう。それは後500年、200年、100年続くかも知れません。でも、それもすべてあなたの責任なのです。
ありがとうございました。
4 comments
翻訳そしてUP、ご苦労様です。
“エックさんの言葉”は実にMILDですね。
しかし、地球時間における、“ひとの歴史”前後数千年のお話をされてます。
意識の存在については、以前チョプラさんも解いてました。
『誰かが言っていた・・・』それはJKムルティさんでしょう。
イエスの『彼らは解っていないのです・・・』何について“解っていない”かの明言をエックさんは具体的には避けているようにも感じますね。
なぜでしょう・・・おそらく“教えられる者ではなく、気付く者になりなさい”ということでしょう。
サダグルさんは“意識の変容”については“急務(=直ちに、この瞬間)”と発していました。
意識と“動き(action)”は連動しているでしょう。
“私(肉体)は生きている”と言う傲慢な間違った意識と、“私は生かされている”と言う謙虚な意識では当然“動き(action)”は、正反対になるでしょう。
生かされている・・・『何によって・・・?』となるでしょう?
forceでしょうか?違いますよね。
『地球というフィールドと太陽系、宇宙のバランス』があってこそ地上の生命体は生かされているのでしょう。
エックさん、地球に対してもふれてましたね。
とても深い思慮が必要だと感じます。
『人が誕生する前の地球』・・・まさに楽園だったでしょうね。
エックさんの“微笑み”と絶妙の間に・・・危機感を感ぜずには居られません。
責任・・・重い言葉です。
地球も動いていますから“意識体”かもしれませんね・・・叡智を備えた。
生かされているモノ、存在するモノに、またそれらの関連性の媒介に敬意と謝意と誠意を表す事は直ぐにできるでしょう。
それを言動に表すことは今直ぐにできそうです。
しかし、地球の再生は“もうこれ以上破壊しないで自然治癒”となるのでしょうか・・・?
ああ、本当にいつもありがとうございます。
そうさ、かんたんだよ・・・というような
エックハルト・トールさんの微笑みに癒されます。
その真実、すべての解決は、いつもしょってるリュックに入ってる。
そんな感じ。
500年も1000年も責任をもつのは、うんざりだなあ(笑)
できれば一瞬で解決したいところです。
エックハルトの集まり“参加後記”・・・
ミーティング会場は『エックハルトの波動を・・・』感じました。
その後・・・参加者の方々と街を談笑する中で『あるパラレル』を感じました。
それが何だったのかは・・・引用にてご紹介したいと思います。
『ナショナルジオグラフィック』サイトより引用・・・
http://www.nationalgeographic.co.jp/science/prehistoric-world/mass-extinction.html
いまも起きているのか?
現在は史上6度目の大量絶滅が進行中であると考える科学者も多い。地球の歴史上おそらく最もペースの速い今回の大量絶滅は、間違いなく人間が引き起こしたものだ。大気汚染、土地の開拓、魚の乱獲などがこのまま進めば、現在生息しているあらゆる生物種の半分以上が2100年までに絶滅する恐れがある。
・・・
2100年・・・ご覧になっている多くの方は天寿を全うしているでしょう。
しかし、みなさんのご子孫はいかがでしょうか・・・おそらく今のみなさんの世代のはずです。
意識の責任からActionへ・・・今、果たすことをすることも『責任』と感じます。
自分のハートにも、ガーデンがあります。とても美しくて、たまに帰ります。
友人と会うと、会ったしょっぱなから噛みつくような、言葉をいわれて戸惑っていましたが、彼女は、過去と未来に吠えていたんだと気が付きました。
幻想的な、画像で、人間の本質をリアルに表現していると感じました。
。。。。。。。。いつも、ありがとうございます。。。。。。。。。。。。。。。