夢から目覚める~宇宙意識で生きる ディーパック・チョプラ

「目覚め」とは、文字通り「寝ている状態、夢の世界から目覚めること、起きること」。しかし、「スピリチュアルな目覚め」となると、さらに「起きている状態」からも目覚め、「常に目覚めている魂」の領域から人生を生きることを意味することになります。

今回取り上げたディーパック・チョプラ博士のショートビデオでは、この「常に目覚めている魂」を唯一無二の宇宙意識(Cosmic Consciousness)と呼び、今私たちは、永遠とも思える夢の世界から目覚めようとしているのだということ、そして、無意識のエゴ意識(思考、感情)から自由になり、私たちの本質である「目覚めた魂」に気づき、その意識で人生を生きることによって、私たちはアカシック・フィールドに繋がり、人間の無限の可能性を開花させることになるのだと語っています。

 エゴ意識の性質を知り、夢の世界から目覚める

エゴ意識から目覚めるためには、まずエゴ意識の性質、私たちがたどってきた道を知っておく必要があります。自分がエゴ意識に捕らわれてきたということがわからなければ、そこから目覚めることはできないからです。人類のほぼ大多数は、四六時中、思考に捕らわれたエゴ意識で生きています。ちょっとでも、エゴ意識に目覚た人であれば、あれもこれも、あの人もこの人も、何もかも、エゴ意識の上に成り立っていたのかと愕然とするかもしれません。エゴ意識で生きていることが悪いと言っているのではありません。単に、ほとんどの人が、頭で作り上げた世界が現実だと思い込んで、それがすべてだと思って生き続けてきているということです。大体の人は、自分が思考に捕らわれているなんて思うこともなく、一生の間、思考と一体化した状態で生きているのです。ですから、極端に言えば、この現象世界は、夢の中で試行錯誤した結果出来たもの、人類の集合的エゴ意識の産物だということもできるのです。

そして、私たちの悩み・苦しみは、すべて夢の中のエゴ意識がベースとなって作られているものなのです。エゴ意識は、私がこうなっているのは、私が悩まされているのは、すべて外的要素(人や状況)に害されたためだと考えます。幸せも不幸も、すべて外的要素に左右される不安定で危ういものなのだと考えるのです。でも、思考も感情も、ちょっと意識的になり、見張りを強化すれば、真新しい考えや感情などひとつもないことはすぐに分かります。すべての苦悩・問題は、過去に作られ繰り返されている思考に捕らわれていることから、再発しているものだからです。

頭の作り上げた幻想的セルフイメージ

エゴ意識は、「私はあなたとは違う」「私と神は別物である」「私は愛ではない」などといった分離の思考、信念から生まれます。ということは「私」がいる限り、「エゴ」だということです。私たちの思考は、自分とは何か、自分はどうあるべきか、人にどう見られているのか・・・等、自分に対するイメージを作り上げ、そのイメージを基準に繰り返しグルグル回っているのです。自分で作り上げたセルフイメージに気づいていかないと、いつも、いつまでたっても自分で作ったそのイメージに拘束され、苦しめられるという悪循環を作ってしまうのです。エゴの自分は、不安と怖れの中で、どうしたらもっと長続きする幸せ・安定・平安が得られるのだろうかと、それを手にするまで外の世界に探し続け、私たちは死ぬまで、エゴの迷路の中でさまよい続けることになるのです。

自分に対するイメージ、自己批判、価値・不価値は、ほとんどの場合、人に言われてきたこと、教えこまれてきたこと、文化的社会的道徳基準から作り上げられたものです。同じ人物が、価値観の違う国に行ったら自分らしく楽に生きられるようになったという事例は少なくありません。それも一種、過去のセルフイメージの束縛が幻想の中で緩んだために起こっていることです。自分が自分だと思い込んでいる自分は自分ではないと気づいていくこと。自然界のすべてのもの、目に見える世界は諸行無常、現れては消え、消えては現れと循環しているものなのだということ、自分も自然界の一部であること。この2つのことを認識することで、積み上げてきた知識に頼る生き方から、溢れ出る知恵に繋がった生き方へのシフトが可能になっていくのです。

※要注意
外的な探求が違うとわかった時点で、今度はそれが内的探求にすり替わり、スピリチュアルな教え、知恵、神、悟りなどによって幸せを得ようとし始めるスピリチュアル・エゴが頭角を現すということが起こりがちです。幸せになるため、自由になるために、今度は概念的に探究することにとらわれてしまうのです。「スピリチュアルな自分は違う。自分は正しい道にいる」というような、ちょっと “たちの悪い” 手強いエゴに要注意です。

私たちの本質である「目覚めた魂」に気づくこと

medium_chavahaima_52598スピリチュアルなエゴにとらわれると、今度は、エゴからの目覚めのためには長期的な修行が必要だといった「修行プログラム信仰」に捕らわれたり、いつまでたっても「ダメな自分」を引きずったりする人が出てきます。必死になって思考をなくそうとして思考を敵に回したり、肯定的なこと、こうであってほしいと思うことだけを考えれば良いのだと決め込む「ポジティブ思考信仰」も誤った理解からくるアプローチであると知っておく必要があります。

思考を消し去ろうとすること、思考を良いものに変えようとすることに力を注いでしまうと、結局はそのことに執着してしまい、エンドレスに取り組んでいかなくてはならない課題が現れ、それに追われてしまうことになります。そうではなく、思考に捕らわれていないかどうかをただ観察すること、その観察者を大事に育てていくことが大切なのです!思考=自分ではないことに気づいていくプロセスの中で、「こんなことを考えている自分がいる。こんなことを思い込んでいる自分がいる」と客観視していく練習をしていきましょう。すると、頭が作り上げた自分でなくてもいい可能性が現れてきます。それが「目覚めた魂」の現れでもあるのです。

「目覚めた魂」は形なきもの、思考で概念化することができないもの、言葉に表わせないものです。思考と感情、エゴ意識を客観視出来るようになってくると、私たちの源であり、本質である「今ここに在る気づきの意識」が現れてきます。そして、すべての存在の本質は「目覚めた魂」なのだということがわかってくるのです。

「魂の成長」にとって大切なこと

「目覚めた魂」に光が当たり始めると、エゴ意識が納得するエゴにとっての価値ある表現、生き方ではなく、目覚めた魂が望む表現、生き方へとシフトしていきます。競争に勝つこと、理解されること、愛されること、支配すること、人によっては犠牲者となること、批判したり責めたりすることなどに価値をおいているエゴ意識が主導権を握った生き方から、「目覚めた魂」の性質そのものである「統合、自由、愛、感謝、平和」に価値を置いた生き方へと自然に変容していくことになるのです。

いつもありがとうございます。with vaststillness

夢の世界からの目覚め~宇宙意識で生きる by Deepak Chopra

「目覚める」とは、一言でいうと「もう夢の世界に生きていない」という意味です。普通、人々は未来や過去のことを考え、夢の世界に生きているので、すべてのことはあなたのエゴというフィルターを通して捉えられているのです。みなそうやって、夢の中で一生を過ごしていくのです。

しかし、この夢の世界から目覚め始めると、あなたは高次の意識に移行していくことになります。ほとんどの人々は3つの意識で生涯過ごして終わります。起きて、夢見て、寝て、そして死んでいくのです。しかし、もうひとつ、4番目の意識状態があります。「魂の意識」と言われているものです。

観察しているその瞬間に、そこで立ち止まって一体誰が観察しているのか、ということに注意を向けてみるのです。今、私はあなたを観ていますね。あなたもやってみてください。みなさんもやってみてください。みなさんは今、私たちを見ていますが、一体誰が見ているのか、見てみるのです。そこには「今ここに在る」感覚があることがわかるでしょう。その感覚は、物理的にわかるものではないし、頭で捉えられる世界でもありません。なぜなら、頭で考えられる世界は、思考と感情、エゴで成り立っているからです。

この観察者は、形のない空の世界から見ているのです。この観察者に注意を向けてみるのです。この観察者は、常にハッキリと目覚めていて、あなたが考えたり、感じたり、何かを望んだり、肉体持ったりすることを可能にしていることがわかるでしょう。その観察者に意識を向けてみるのです。それがあなた自身なのです。それがあなたの源、形なき、無限のあなた自身なのです。

そのあなたが「起きて、夢見て、寝る」ということから目覚めようとしているのです。これを伝統的精神世界では「宇宙意識」と言っています。というのは、あなたは2つの世界で生きることになるからです。肉体的物質的世界と形なき空の世界です。新約聖書では「あなた方はこの世にいるが、この世に属してはいない」と言ったり、イエスの喩え話では「ドアのランプが外と内を照らす」というものがあります。

この宇宙意識は、常に目覚めていて、あなたが起きていること、夢見ていること、寝ていること、全部わかっているのです。ですから、あなたはアカシックの世界にアクセスして、知恵、直感力、創造力、想像力、眠ったままの潜在能力を得たり、未来や過去を読み取ったり、予知したり、夢や願望を現実化したりできるのです。偶然の一致、遠隔透視、癒やしが起こったり、亡くなった人、生まれ変わる前の人との会話など、何でも可能なのです。そして、これらは現実的な体験なので、今度はこれらを客観的に検証する必要があります。宇宙意識の時の脳波はどう変わっているのか、身体の中はどうか、などです。

さらに、宇宙意識で生きていると、見ているものすべてにその同じ意識を見始めるようになるのです。

1 comment
  1. 3~4年前のあるセミナーでの誘導瞑想で、僕はこんなメッセージを貰いました。
    .
    「あなたは時代の目撃者」
    .
    意味が分かりそうでいて、それでも何となく確信が持てないでいました。
    すると2~3日後に、僕は再びメッセージを貰いました。
    .
    「あなたは自分の観察者」
    .
    チョップラ氏のここで言われているコトと、たぶんシンクロしているように
    感じます。

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